椿ノ華



桜の花が満開になる頃、葵の容態は急変した。


「……」


元々肌の白い葵の顔が、青白く見える。


「心臓を患っていらっしゃいますよね」

「え…?」

「はい、幼少の頃から」

「え…?!」


椿は知らない事実を、篠山が答えた事に驚いて。


「どういう事ですか?!」

「…黙っていろ、と言われていたもので」

「そんな…」

葵さんは、小さい頃から心臓が弱かったの…?



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