椿ノ華



そして、麗羅の視線が椿に向き…


「やり直すわ。蓮人と」


その言葉に、その場に居る誰もが驚いた。


「葵さんのお葬式の後なのに、お邪魔してごめんなさい。

もう、会う事はないけれど…さようなら。元気で」


「行くわよ」と紫野に声を掛け、「はい」と笑顔で返した紫野と共に、
歩き出した二人。


「…待ってください!!」


大声で叫んだ椿に、肩を抱いていた壱は目を見開いて。

腕の中から離れると、


「…この度は、私の兄の葵が…誠に申し訳ありませんでした。

…そして、私も…申し訳ありませんでした」



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