椿ノ華



深く深く、頭を下げる。


「…どうか、やり直して。

お二人が本当に幸せになる事を、心から願っています」


顔を上げて微笑むと、二人も微笑んでくれて。


「行くわよ」


そして再び、歩き出した。


「…椿…」

「…私の、けじめです」


そして、付け足す。







「どうしても、貴方と幸せになる事を諦められないから」



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