椿ノ華



「き、着替えは自分で出来ますよ!」

「ですが、お着物ですので…」

…着物?

「着物なんて、私…」

「旦那様からの贈り物だそうです。是非着て欲しいと」


使用人の女性が持ってきたのは、赤を基調とした着物だった。


「…綺麗」

「はい。椿の花ですね。今日の為に急いで仕立てたそうですよ。

ですからお手伝いさせてくださいね」

「…お願いします」


女性は微笑んだ。


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