椿ノ華
「あ、妹さんの前で…ごめんね?!」
「あはっ、いえ…本当の事、ですから…」
慌てて謝る壱に笑いながら返す。
「兄とは仲が宜しいんですか?」
一頻り笑ってから問い掛けた。
「ああ、まあ…幼馴染ってやつかな?
ほぼ腐れ縁だけどね」
「へえ…」
「だから、君という妹が居るなんて知らないはずないんだけど…
びっくりしたよ」
「ああ、私と葵は離れて暮らしていたので…そのせいですね」
「ああ、そうなんだ」
「はい、最近一緒に暮らし始めたばかりなんです」
葵の説明を隣で聞いていたから、
言っていい領域くらいは把握している。