椿ノ華



「気にしてくださってるんですか?

私、普段のパーティーではお兄様に任せきりで、

まともな会話をしてないから」

「…ああ、まあな」

「ありがとうございます、でも大丈夫ですよ。

お兄様の幼馴染だそうですね。殆どお兄様のお話でしたから」

「…俺の?」


葵は新聞に向けていた目を椿へと向けた。


「はい。ああ、大丈夫です。

お兄様が他の方にも説明なさっていた事しか言ってません」

「…そうか」

「はい」


興味が失せた様に、新聞へ視線を戻した葵。



< 59 / 243 >

この作品をシェア

pagetop