椿ノ華



「……」


言葉を返さず、紅茶を飲む。


「…美味しい」


ふわりと、顔が綻んだ。

そんな椿を見詰める葵の視線に、篠山は気が付いていた。


「…椿」

「はい」

「先日のパーティー、壱とどんな会話をしてたんだ」

「どんなって言われても…世間話、ですかね」


不思議そうに葵を見詰めて返す。



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