私と彼女の関係
「もぅぃぃ…。
 もぅぃぃってぇぇぇ…」
美幸は泣きながら、
やっとの事で言った。

私だって泣きたかった。
拓也の前で、みすぼらしい姿を見せてしまった。
ギャーギャー
汚い言葉を連呼する私。
彼の目には、
酷い
醜い者が映っていただろう。
こんなの私じゃない。
お願い解って…。

美幸を守りたい一心で
私は、拓也への気持ちを遮断した。
可愛い子ぶってては、真二を問い詰められない。

今となっては、虚しさが溢れた。
そもそも、誰の為に大声出してると思ってんのよ…
美幸の為に、
美幸を想ってなのに、
もぅぃぃだなんて。
なんで。
美幸の為に私が怒鳴られなぁかんの…
美幸が言わないから、
私が言うしかないんやん。
私がどれだけ醜いか知ってんの?

美幸がこんなでは、もうどうしようもない。
正直私も、
ケリが付かない、この話合いに飽きていた。
真二は誰から聞いたのか聞きたい。
私は言わない。
拓也から嫌われようとも、
私は真二を裏切れなかった。
話は平行線だった。

私が負けを認めない限り、帰してくれない。
窒息しそうな車内に
重く、
美幸の泣き声だけが響く。

< 36 / 85 >

この作品をシェア

pagetop