私と彼女の関係
もう終わらせよう…。

私が負けを認めさえしたら、
この状況から脱出できる。
私には、それしか、
気力が残ってなかった。

「すぃませんでした。」

私の必死の侘びだった。
嘘をついたのは認めない。
でも私が謝らないと、真二は納得しない。
悪くもないのに、非を認めるって
本当にきつい。
私の言葉は、
生意気な中公が、先生に対し
謝ったように、棒読みだった。

「おい! ちゃんと頭下げろや!」

悔しい。
なんでこんな雑魚に頭下げなあかんねん…。
悔しさで、涙が出そうだった。

絶対泣きたくない。
こんな奴に泣いてしまったら、
本当に負けを認めてしまう。
真剣に折れたくない、
私の小さな抵抗だった。

「…す、すいませんでした…。」
 
次はちゃんと棒読みにならなかった。
真二もしぶしぶ納得した様子だった。
元はと言えば!!!
私は煮え切らない思いを必死で押さえ、
この場から離れる事に専念した。

拓也
さょなら…。
拓也は頭を上げなかった。

拓也の車は、静かにエンジンを鳴らし、
姿を消した。

車を降りた美幸は、
安心したのか、
真二との別れが辛かったのか、
地面に泣き崩れた。
私には、美幸をかばう気力は残っていなかった。

家までの帰り道、長い沈黙が続いた。
冷静を取り戻した私の頭の中は、
一つの疑問が生まれた…。

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