密の味~欲しがる男~


――突然。


車は横道に逸れ。


人気も外灯もない。


薄暗い公園の脇で停車した。


「どうし……」


「君としたくなった」


「は?」


「久しぶりに試してみないか?」


強引に肩を抱き、運転席から身を乗り出す優一。


その体を押し返しながら私は顔を背ける。


「やめて」


狭い車内で必死に拒絶したが、いとも簡単にいなされ。


唇を塞がれた。
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