さよならの見つけ方 第3章 *君の声がする*
夜が来る度に言葉をなくしていった。
机の上の小さなカレンダーをめくり、出発の日を指折り数えては、静かに旅立ちの準備をする。
荷造りをする私の隣でベッドに寝そべるマイケルは、本を読んだり腕を組んでじっと私のことを見つめていたり、
やっぱり少しだけ、落ち着かない様子だ。
海に行きたいなと提案してきたのは、マイケルの方だった。
「海?」
と聞き返す私に、
うん、海、と楽しそうに頷くマイケル。
「海かぁ…」
「寒いかなぁ」
「寒いかもね。
でも楽しそう」
海と聞いて思い浮かぶ風景は、一つだけ。
電車に揺られて、小さなバスに揺られて、ロバートに連れていってもらった南の海岸。
切り立った崖の上の緑の丘と、一面に広がる藍色の海。
「二人で?」
「うん。二人で行きたい」
「いつにする?」
「…お姉ちゃんが行っちゃう前に」
「じゃ、来週の土曜日に、行こっか」
「うん」
二人だけで、遠くに行こっか