明日ここにいる君へ
サワ…
サワ……
乾いた風が、頬を掠めては…通り過ぎ、
いつまでも、青々とした木々を揺らし続けていた。
サワサワ……
サワサワ………。
この風が、私の道標になって……
君の元へと連れていってくれればいいのに。
サワサワ…
サワサワ………
まるで…背中を押すかのように。
いつの間にか…追い風へと変わっていく。
「……………。」
向かう先は、きっとあそこ。
不思議と足どりは軽くなって……
導かれるままに、道を突き進む。
本当は、風のせいなんかじゃないのに……。
どこまでも認めたくないあたりが、まだまだ素直になりきれていない証拠。
「…結局また…来ちゃったか。」
私の目の前には、悠仁の家。
いるかどうかはわからないけれど…
こんな風に押しかけるだなんて、間違ってもしたくはないと思うのだけど…、
けれど、
『…………。うん。元気でるかなって思って。』
そう言った君のその言葉が…
どうしても胸に引っ掛かかってしまうんだ。