【続】赤い糸のその先は…。
式が始まる前に、今度は課長と二人で控え室にいるお兄ちゃんに会いに行った。
「お兄ちゃん、おめでとう。」
「本日はおめでとうございます。姉貴の事をよろしくお願いしますね。」
「ありがとう。」
今日のお兄ちゃんは、妹の私から見ても惚れ惚れしちゃうぐらい格好良かった。
私がお兄ちゃんに見惚れていると、
お兄ちゃんが目を細めながら...
「今日のゆずは、とっても綺麗だね。」って褒めてくれた。
今日の主役は室長なんだから、妹を褒めてどうするの?
「こうして二人を見ていると、君達のほうが結婚式をあげるみたいだね。なんだか、花嫁を送り出す父親の気分だよ。」
いやだなぁ、お兄ちゃんは、室長をお嫁さんにする新郎なんだよ?
「裕也さん、今日の主役はあなた達だ。今日は姉貴だけを見つめてあげてくださいね。じゃないと、あの人はまた拗ねて手がつけられなくなりますよ?」
「クスクスッ。そうだね。小百合に逃げられると困ってしまうからね。」
室長が拗ねる?全然イメージじゃないし。
何時も、掌の上でお兄ちゃんを転がしてるように見えるけど?