【続】赤い糸のその先は…。

式が始まる前に、今度は課長と二人で控え室にいるお兄ちゃんに会いに行った。


「お兄ちゃん、おめでとう。」


「本日はおめでとうございます。姉貴の事をよろしくお願いしますね。」


「ありがとう。」


今日のお兄ちゃんは、妹の私から見ても惚れ惚れしちゃうぐらい格好良かった。


私がお兄ちゃんに見惚れていると、


お兄ちゃんが目を細めながら...


「今日のゆずは、とっても綺麗だね。」って褒めてくれた。


今日の主役は室長なんだから、妹を褒めてどうするの?


「こうして二人を見ていると、君達のほうが結婚式をあげるみたいだね。なんだか、花嫁を送り出す父親の気分だよ。」


いやだなぁ、お兄ちゃんは、室長をお嫁さんにする新郎なんだよ?


「裕也さん、今日の主役はあなた達だ。今日は姉貴だけを見つめてあげてくださいね。じゃないと、あの人はまた拗ねて手がつけられなくなりますよ?」


「クスクスッ。そうだね。小百合に逃げられると困ってしまうからね。」


室長が拗ねる?全然イメージじゃないし。


何時も、掌の上でお兄ちゃんを転がしてるように見えるけど?
< 41 / 82 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop