鈍感ガールと偽王子
でも、今考えたら、あのことが無ければ今もずるずるとただの友達でい続けたかもしれない。
俺自身はもう美結のことを半分彼女のように思ってたけど、美結は全くそんなつもりなかっただろうし。
「ごちそうさま。サンキュな。美味かったよ」
「うん」
美結は頷いてにっこり笑った。
それから、美結も食べ終わると再びキッチンへ。
あっという間にガチャガチャと洗い物を済ませて、また居間に戻ってきた。
こたつに入ってミカンを食べながら、年末恒例の歌番組をふたりで鑑賞した。
色気も何もないけど、そんな穏やかな時間が心地良かった。
知ってる曲が流れると、リズムに合わせて美結の身体が揺れ、ひょこひょことポニーテールが動くのがなんだかわからないけどツボに入って笑っていたら、
「何笑ってるの?」
と不思議そうな顔で言われ、どうやらその動きが無意識らしいと分かって更に笑ってしまった。