鈍感ガールと偽王子



「そろそろ風呂入ってくるわ」


時計が11時を過ぎる頃、そう言って立ち上がる。


「いってらっしゃーい」


美結はミカンをほいっと口に放りこみながらひらひらと手を振ってくれた。



「一緒に入る?」


からかって訊くと、美結は一瞬何を言われたのかわからない、というようにきょとん、と俺を見ていたが、やがてかあっと顔を赤くして


「バカ!!」


と叫んだ。



「私もう家でお風呂入ってきたもん!」


「そう?そりゃ残念」



俺は笑いながら部屋を出た。


あんな顔赤くして。


本当、可愛い奴。




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