鈍感ガールと偽王子


もしかして、泊まれ、なんて言ったの失敗だったか?


初詣とか行けば良かったのか?



……あー、初詣!


そんなのあったな!


すっかり忘れてたわ!



そっちが多分正解だったんだろうな。





……なんてことを考えながら風呂に入り、着替えて、ワシャワシャとバスタオルで髪を拭きつつ居間に戻る。



「あ、颯多くん!着替え、ありがとね」



「……」



ソファに体育座りをしてテレビを見ていた美結が、にっこり笑う。



「あたし、化粧落としてきていい?来るとき簡単にだけどしてきちゃったんだよね」



ソファから立ち上がって自分の鞄からポーチを取り出し、それを持って俺の脇を通り抜けて洗面所に向かおうとする。



「わっ!?」


思わず、その手を掴んで引き寄せていた。


「な、何?」


「……あ、ごめん。なんでもない」


ぱっと手を離すと、なにそれ、と笑って美結は洗面所に入っていった。



< 134 / 142 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop