鈍感ガールと偽王子
パタン、と洗面所のドアの閉まる音と共に、俺は思わず思い切り息を吐き出していた。
うわーー!
怖ぇーー!
なに掴んじゃってんの!?
無意識怖ぇ!
ていうか、なんだよあのダボダボ感!!
ドラマとか漫画で男物の服着てきゅん、なんて王道だけど、正直あれ本当かよ、なんて思ってた。
けど。
……王道怖ぇ!!
威力半端ないわ!!
なんだあの可愛い生き物は…!
「はあああぁあー」
俺は、バスタオルを頭からかぶったまま、大きなため息を吐いた。
マジで、大丈夫か、俺…。
「颯多くん…?どうしたのそんなため息吐いて」
「!!」
突然背後から声を掛けられ驚いて振り返ると、いつの間に戻ってきていたのか、不思議そうな顔で美結が俺を見ていた。
「……スッピン、初めて見た」
「え。そうだっけ?」