鈍感ガールと偽王子


「ていうかさ、颯多くん髪乾かさないの?風邪ひくよ」



ぽす、とソファーに座りながら美結は首を傾げて俺を見た。



「…や。いつも自然乾燥だから」


「そっかー。短いと楽でいいな」


「美結はその髪型似合ってるよ」



ブラウンに染めた、ふわふわのセミロング。



「…そう?ありがとう」



照れたように笑う美結が、どうしようもなく愛しくて。



気付いたら。



バサ、と背後にバスタオルが落ちる音がして。



ソファに座る美結に近づいて。



その細い手首を掴んで、押し倒していた。




ソファが微かに軋んだ音をたてた。


目の前には、俺の下で驚いたように目を見開いた美結。


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