鈍感ガールと偽王子


幼くなるんだな。



化粧してないと。



…ていうか。



「……俺、そっちの方が好きかも…」


「へ?」



美結が、驚いたように俺を見た。




「あ、いや…。なんでも…」



思わず思考が漏れていたことが急に恥ずかしくなって、誤魔化してみる。



「びっくりした…。スッピンの方がいいって言われたのかと思った」



あはは、と笑って美結はポーチを鞄に戻した。



…いや、その通りなんですけどね…。




「……もしそうだったらどうなわけ?」


「え?普通に嬉しいよ?」



きょとん、と美結が俺を見てそう答えた。



「だって、飾らなくてもいいってことでしょ?」


「……」



なんだよ!!


じゃあ誤魔化さないで言えば良かった。



激しく後悔したが、今更言うのは100倍恥ずかしいので諦めた。


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