鈍感ガールと偽王子


「そ、そういう椎葉くんは?モテるんでしょ?今彼女いないの?」



あたしはそういう話はできないから、慌てて椎葉くんにそう話を振った。



「え?俺?いや見るからにいないだろ?いたら美結を部屋に呼んだりできねぇって」



まあ、それもそうか…。



「でも、昔はいたんでしょ?なんかこう、ないの?」


「なんかってなんだよ…。そりゃ人並みにはあるけど…。フツーだよ」



なんだかバツが悪そうに視線を逸らす椎葉くん。



…なに、なんかやましいことでもあるわけ?



「……あ」


「何だよ」


「もしかして、今までの彼女さんとはキャラ作ったまま付き合ってたとか?」




王子キャラの椎葉くんを好きになった女の子と付き合うなら、椎葉くんはきっとそうする。



そう思って、確信をもって言った。



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