鈍感ガールと偽王子



「ちょ、ちょっと。ねぇ、どういうこと!?」



ダン、とテーブルに手を付いて向かいに座っていたあたしに顔を近づけてきた里奈。


「里奈、ちょっと落ち着いて…」


「ムリ!!」


「えー」



多分、里奈はあたしが話すまで離してくれない。



自分は付き合ってから、っていう事後報告だったくせに…っ!



いや、里奈に好きな人がいるって気付かなかったのはあたしなんだけど。





「……実は、ね」



あたしは、覚悟を決めて里奈に話しだした。



椎葉くんと出会ったあの夜のことから、全て。






「……だから、里奈に今日こうやって謝りに来る勇気が出たのも、椎葉くんのおかげなの。あたしひとりじゃ絶対、いつまでもうじうじしてたと思う」


ひととおり話終えると、里奈はしばし呆然としていた。


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