鈍感ガールと偽王子


「……そんなことって、ほんとにあるんだ…」



そんで、第一声が、これ。



「そんなことってなに?」


「や、それって…。美結、お持ち帰りされてるよね…。王子に」


「お、お持ち帰…、って、だからっ!なんもなかったんだって!!」



さすがに、目を疑いたくなる数のキスマークのことは言えない。


あれからしばらくは髪も下ろして胸元があんまり開くような服は着ないで。


絶対誰にも見られないように注意してたし。



「……美結ってやっぱ鈍感だよね」



はあ、とため息をついて言った里奈。



一体全体どうしてそういう流れになるの?



「……美結、知らないの?」


「何が」


「王子って、顔がよくて優しいからってだけで王子って呼ばれてるんじゃないよ」


「は?」



あたしは思わず眉を寄せた。



どういう意味?


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