寂しいなんて言わない




あたしが言い終わったあとに


名前を呼ばれ俯きがちだった顔を上げると



徐々に近づいてくる相澤くんの


整った顔。




へっ?


え?これって、キ、キ、キス…………!!!?




そう思った瞬間ドキドキは


増して、強く目を閉じた。




だけどーーーーーーー



な、なにも起きない………?



恐る恐る目をあけると、



ニヤッとした相澤くん。




「何?期待した?」


なんて 挑発してくるから


再び顔が熱くなるのを感じた。



「今は、しないよ 由湖がちゃんと

俺のこと好きだって言ってくれるまで

キスはお預けな?」


そう言ってあたしの唇に人差し指で触れた。



ドキドキする胸は当たり前だけど


ずっと収まりはしなかった。





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