寂しいなんて言わない




あの人とは、基夜のこと。



そう、あたしは


相澤くんと本気で向きあうために


基夜と 本当のさよならをするために


電話したんだ。






「おぅ」


基夜の声が低くなる。




「あたしね、基夜のこと好きだったよ……

付き合い始めた時からその気持ちは

ずっと変わらなかった……

別れたあとも、数日前までは…………」




「………………」



「だけどね、基夜にはさくらちゃんがいて

あたしには、相澤くんっていう

あたしを好きでいてくれる人がいて……

それなのに、あたしだけが立ち止まってたら

ダメだと思ったから…………」




最後の さよなら を言おうと思うけど


目から溢れる涙のせいで


言葉にならない。




< 88 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop