LOVE BOX~光を探して~
「ちなみに葵ちゃんと同い年だよ?」
慣れ慣れしく名前を教えた瞬間に、ちゃん付けで呼ぶ男の事なんてどうでも良くて。
「16って事?だってそれじゃ働けないよ」
「んなもんさ、誤魔化したら良くね?」
「…………」
その会話を割って
「ただいまぁ~。ねぇ早く頂戴?」
そこに現れたのは、同い年とは思えない……綺麗な人。
「あれ?こんばんはー誰?どうせまたナンパしたんでしょ?」
「ちげーよ。地元の後輩!」
「ふぅん」
大して気にもならないのか、男から薬品の入ったビニール袋を受け取ると、彼女は嬉しそうに吸い出した。
それが何かは分かっていたけど、それすら気にならないぐらい……私の頭もそれ所じゃなかったんだ。
まっすぐ家へと送ってくれる車に揺られながら、私の頭の中はあの一言だけがぐるぐると廻っていた。