お嬢様の秘密Ⅱ
「こうしましょうか。」


学園長が結論を出した。


「莉依紗様が記憶をなくされたのには必ず教室に何か関係あると思いますが...。今の精神不安定の状態で連れて行くのは大変危険でございます。」


「ではいったい....?」


「ここは代々学園長が住む屋敷なので関係者....たとえ学園生でも入れません。ここであと2ヶ月療養していただきましょう。


卒業式は出てもらわなくてはなりませんからそれまでにある程度は。


4月からは公立高校へ入学していただきましょう。」


「しかし...それでは警備に....。それと入試試験も受けていらっしゃらない。」


今から勉強する必要があるの.....?


「それは問題ございません。私のツテを舐めてもらっては困りますよ。」


にやっと怪しく笑った。


「おみそれいたしました。それではお嬢様には公立高校………春日高校へ通っていただくことにしましょう。」


裏口....じゃないよね?


本当に大丈夫なの?


「ああ。大樹様には.....。」


「言わない方がよろしかろう。」


大樹様って......誰なんだろう。


「私がユリ様と一緒に通えば問題ないな、国松。俺はSランクはとっているし、一応高校は海外の学校でスキップで合格してる。

一応兄貴より優秀だぞ。」


クスッと笑うことができた私。


それを見て、3人はどこか安堵したような表情。


卒業式までになんとか.....思い出せたらいいな....。


それと同時に心のどこかで思い出したくない気持ちが強かった....。








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