スーツを着た悪魔【完結】
少しタイトな黒のノースリーブワンピースの上にレースのボレロを羽織り、足元はよく手入れされたピンヒールのパンプス。
いつもはブラッシングしているだけのまっすぐな黒髪は、ふんわりと無造作にまとめてビーズの小さなバレッタで留めていた。
「きれい、素敵!」とはしゃぐ未散に「そんな……」と恥ずかしがる彼女。
これが、子ウサギ?
本当にまゆ……?
思わず、礼儀を忘れて凝視する深青の前で、未散とまゆは和やかに言葉を交わす。
「お待たせしました」
「ううん、今来たところだから、大丈夫よ」
「私、こんなところでディナーなんて初めてなので緊張してしまって」
「個室だから気にしないで、おいしいものたくさん食べましょうね。ああ、そうだ。まゆさん、食べられないものある?」
「いいえ。なんでもおいしく食べられます」
「私も全然好き嫌いないの。ふふっ」