スーツを着た悪魔【完結】
深青の美しい茶色い瞳が、必死に理性を保とうとしていたまゆの心をこじ開ける。
目が逸らせない……。
息をするのも忘れて、深青を見上げるまゆ。
やがて背の高い深青がまゆの体に覆いかぶさるようにして、壁際に追い込む。
雨はさらに強くなり、強風でさらに、深青の体をびっしょりと濡らしていく。
「深青……やめ、て……」
まゆは、彼の、爛々と輝く星のような瞳が怖かった。
何もかも見通してしまいそうな、そう、まゆの目を逸らしてきた気持ちさえも明らかにされそうで、怖かった。
「聞こえない」
嘘。聞こえてるくせに……。
どうしてそんなことを言うの?
「お願いだから……っ」
誘惑しないで。これ以上私を、苦しめないで。
こんな風にされたら、私は壊れてしまう。
まゆの声は懇願へと変わっていた。