スーツを着た悪魔【完結】

今までの戯れに似た、ただ重ねるだけのキスとは違う。むさぼるような激しいキス。

触れ合ったそばからその熱に蕩けそうになって、もっと、もっとと欲しくなる、



「ん……あっ……」



息が上手に出来ないのか、強い陶酔で足に力が入らないのか、ふらふらするまゆの体をしっかりと抱きとめて。角度を変え、まゆの唇を割り入り、舌をからませると


「ん……う……」


つたないながら、まゆが体を震わせつつもそれに応える。



今までの人生の中で、深青は数えきれないほどのキスをしてきた。

それこそ、幼いころ、母親から毎晩されていたおでこへのおやすみのキスから、初めてできたガールフレンドとのキス。

自分が男だと意識し始めてからは、たくさんの女性たちとキスをした。


けれど今このまゆとのぎこちない口づけほど、欲望を感じたことはない。


全身に熱い蜂蜜でも流し込まれたように、深青の体は燃え上がっていた。



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