スーツを着た悪魔【完結】
少し大きめのものを渡したから、一応まゆの太ももの半分くらいは隠れている。
が、言ってしまえばまっすぐな脚が半分以上が露出しているわけで……。
「いい眺め」
深青が笑うと、まゆは一層顔を赤くする。
そして拗ねたように顔を横に向け視線をそらしてしまった。
髪を洗ったのはいいが、ブローが適当だったのか、後ろの髪が少し跳ねている。そして当然のごとく素顔で、メイクを落とした彼女もまた愛くるしい。
そんな目で深青が見ていることも気づかずに、両手で裾をぎゅーっとひっぱり下ろしながら、
「あの……勝手に上がってごめんなさい。だけどいい匂いがしたから……」
と、うつむいた。
「ホットワイン、飲むだろ? パンプティングもある」
「――」
いるともいらないとも言わないまゆ。
深青の目から見て、まゆは雨に濡れた子ウサギで、とりあえず乾かすこと、そしてお腹を満たしてやることが先決だったのだが……
どうも「恥ずかしい」だけではなく、違った意味で避けられているような気がした。