スーツを着た悪魔【完結】
「なに怒ってんだよ」
「お、怒ってないですっ……」
「いや、怒ってる。正直に言えよ。モヤモヤするだろ。なんなんだよ、いったい」
「っ……」
まゆはそんな深青を一瞬恨みがましい目で見つめながらも、最大限の勇気を振り絞るような、そんな必死な声で言った。
「えっと……私を、ここに入れて、問題ないんですか……?」
「はぁ? あ、なんで敬語なんだよ。普通に話せって言っただろ」
「か、彼女、とか、に、悪いって、思わないの!?」
みっともないとわかっていた。だけど口をついて出るのは深青への批難で――
「お前、馬鹿?」
「なっ……」
深青はまゆを見下ろしせせら笑う。
「俺に彼女がいたら未散にお前のこと紹介してないだろ」
「あ……」
「ばーか。まゆのばーか」
「ばっ、馬鹿って二度も言わないで!! 気にしてるのに!」
半ば逆切れのごとく叫んでいた。