スーツを着た悪魔【完結】
柔らかく小さな舌を吸い、舐めて、音を立てながら飲みこむと
「んっ……」
まゆは切なそうに目を閉じる。
うっすらとけぶるように桃色になる頬。赤い唇。
ただ、苦しいだけではなく、彼女が感じていることが深青は嬉しかった。
あの手この手でまゆを驚かせる深青だったが、勿論彼にまゆを苦しめる意図はない。ただ、なんだかんだと構いたくなるのだ。
今の深青にとって、まゆは子猫で子ウサギだった。
抱き上げて頬ずりしたくなる、可愛い存在……。
あんなキスをしておいて、そして今だって――
お互いが強烈惹かれあっているのは事実。
ベッドに行かないという選択はないはずなのに、まったくそんなそぶりは見せず深青を見つめてくる。
煽ってるんだろうか?
深青は、そんなことを考えながらまゆの舌を口に含み、もてあそんでいたが――
とりあえずまともに立っていられない、足元から崩れ落ちそうになるまゆの手からグラスを奪い取り、シンクの上に置いてそのまま彼女を横抱きに抱き上げた。