スーツを着た悪魔【完結】
「――お前。俺が死んだら、泣いてくれる?」
深青の言葉に、まゆの顔色が紙のように白く変色する。
「っ……なんでそんなこと言うのっ!」
思わず顔を上げ叫んでいた。
けれど深青は冗談を言っているような雰囲気でもなく、ただまっすぐに自分を見つめている。
「俺はお前が死んだらどうやって生きていったらいいかわかんねえよ」
「だから、なんで急に……!」
「お前、別に明日も生きていたいとか思ってなさそうだから」
「――!」
ガツン、と頭を殴られたような気がした。
「違うか……? 明日人類滅亡して死にますって言われても、ああそうかって黙って受け入れそうだよ、お前……。ちなみに俺は、絶対イヤだけど」
「――」