スーツを着た悪魔【完結】
――――……
まゆを半ば無理やり隣の部屋に押し込んだあと、悠馬はため息をつきながら自分の部屋へと入り、バッグの中からタバコを取りだし、唇にくわえた。
ルームサービスでウイスキーを頼み、煙草を吸っていたが、うまく酔えないまま時間がだけが過ぎていた。
本当は、まゆと同じ部屋に泊まろうと考えていたのだ。
が、用心深いうさぎのようなまゆは、女に声を掛けられた僕を見て、途端に警戒心を抱いた……。
用心深いのは結構だ。
自分がそう育てた一面もあるし、文句は言えない。
当分、無理だな……。
そして先ほど渡された名刺をテーブルの上に置き、そのまま電話を掛ける。
ほどなくして女が姿を現した。
「彼女にフラれたの?」
「――」
悠馬は煙草をくわえたまま、唇の端をフッと歪ませる。