スーツを着た悪魔【完結】
「手は使うな……お前が僕に触れていいのは、その卑しい口だけだ」
「っ……は、はいっ……」
頬を紅潮させ必死にうなずく女は、そのまま悠馬の長い足の間にずるずると近づき、顔を近づけ、歯でジッパーをかむ。
ジリジリとジッパーが下ろされる音がして、下着の上から熱心に口づけられる。
布越しに熱い吐息を感じ、徐々に興奮し始める自分――
悠馬はため息をつきながら、背もたれに上半身を押し付け、天井を仰ぎ見、目を閉じた。
元来、悠馬はサディストだった。
女をいたぶるのが好きでたまらなかった。
いや女には限らないかもしれない。傷つく人間を見るのが、虐げられ、苦痛に歪む顔を見るのが好きな男だ。
けれど彼にとって、従妹のまゆだけは違う。
傷つけるだけでは足りない。どれだけ縛り付けても、泣かせても、満足しない。
それが何かはわからない。
ただ、悠馬にとって「まゆ」は最初から特別だったということだけだ。