スーツを着た悪魔【完結】
うそ、どうして!?
突然のことに顔にカーッと熱が集まる。
ああ、でもよかった。どれだけ赤くなっても、この暗さじゃ顔色まではわからないはずだ。
「は、はい、とても、おいしかったです……」
しどろもどろにうなずくまゆ。
「僕もそれ好きなんですよ」
両端に座った(ミカ含む)は、まゆに話しかける深青を見て、少し唇を尖らせたけれど、
「え~じゃあ私も飲みたーい♪」
と、彼にしなだれかかる。
「どうぞ、召し上がってください」
深青はいやな顔一つせず、慣れた手つきで優雅にグラスにワインを注いだ。
「これはシャトー・ラトゥールの赤ワインです。葡萄のブレンド比率は……確かこの年はカベルネ・ソーヴィニヨン75%、メルロー20%、カベルネ・フラン4%、プティ・ヴェルド1%……」