スーツを着た悪魔【完結】
首をひねるまゆに、深青は苦笑しつつ説明する。
「ちょっと書店に寄る。もし疲れているのなら先にホテルに戻ってもいいけど、どうする?」
「い、いえ、お供します!」
ああ、もう私ったら、しっかりしなきゃ!
慌てて深青と一緒に車を降り、書店へと足を踏み入れた。
「あの、何か探してるんだったら、メモを貰えたら買ってくるけど……」
一応秘書なのだから、そのくらいはしないと、と思ったまゆだが――
「――いや、自分の目で見て適当に買うつもりだから。十五分後に、ここでいいか?」
深青はそれを断り、腕時計に目を落とす。
「はい」
どうやら自分の出番はないらしい。
仕方なく、まゆは深青と別れ、書店の中を見て回ることにした。