スーツを着た悪魔【完結】
女性としても、秘書としても、おかしなところはなかったかと、気になってしまう。
「そんなうさぎみたいに葉っぱばっかり食わずに、もっと肉を食えよ」
なのに深青ときたら、そんな葛藤もつゆ知らず、折りをみてはまゆの皿の上にどっさりとローストビーフを乗せてきて……。
「そんなに食べられません……」
深青がモテるところを見るのもイヤな気分だったし、妙な構い方をされるのも気に入らない。
おなかが空けばちゃんとものは食べられる。自分はペットではないのだ。
プイッと横を向くまゆだったが、深青にはその複雑な女心が伝わらないらしい。
とにかくまゆが食べないことが気になって仕方なかった。
「食べさせてやろうか?」
「いっ、いいですっ……自分で食べます」