スーツを着た悪魔【完結】
あの告白のあと、もう一度深青はキスしてくれた。
一度唇を重ねると、離れがたくて。お互いの吐息だけが部屋に満ち苦しいくらいだった。
ずっと抱きしめていてほしかったのに、そういうわけにもいかず……お互い乱れた身支度を整えて(深青は何もしなくてもきれいだけど、私は平凡な普通の女だからそうはいかないのだ。)
こうやって二人で会場に来たわけで……。
ちらりと横目で見ると、また同じ経営者だという女性に話しかけられ、和やかに会話を繰り広げている深青。
彼女たちの深青に向ける視線に、仕事以上の情熱を感じてしまう。
しかも自分はいつまでもドキドキしているというのに、深青はなんだかモテモテだし、悪い気はしていなさそうだし。
なんなのよ、その笑顔……。
そして一方で、自分がこういった華やかな場では浮いているのではないかと不安になる。