スーツを着た悪魔【完結】
――――……
お花畑にいる夢を見ていたまゆが目を覚ますと、深青の端整な顔が目の前にあって、一瞬これはまだ夢の続きかと疑った。
体の前で腕を組み、目を閉じた深青の顔……
寝てる。
っていうか、そうだ。元々は私が彼の肩を借りて寝てたんだ……。
頭をのけようかと一瞬思ったが、眠る深青をこんな近くで見ることもそうないだろうと、まゆは頭を乗せたまま深青を見つめる。
深青に好きだって言われると、胸が暖かくなる。勇気が湧いてくる。
もしかしたら私にも、少しくらい価値があるんじゃないかって……そう思えてくる。
こんなふうに自分に自信が持てそうな気分になったのは生まれて初めてだった。
もうそれだけで泣けてきそうなくらい幸せで……
深青はそんなつもり、ないのかもしれないけれど。
「深青……ありがとう」