スーツを着た悪魔【完結】
少しの会話で、ほんの少し、まゆの緊張が緩んだのが伝わったのか、深青は微笑みながらゆっくりと腕の力を緩め、それから両手でまゆの頬を撫で、首から肩のラインへと手のひらを滑らせた。
深青の大きな手で撫でられると、ドキドキする……。
っていうか、こういう時ってどうしたらいいのだろう。
一瞬迷ったまゆだったが――
どうせ私はこういうときにどうしたらいいのか、わからないのだ。それに深青は、私がわからないということを知っているのだから、今さら慌てたところで仕方ない。
ゆっくりと息をしながら、深青のやることに身を任せることにした。
シャープで力強いあごのライン。しっかりと筋肉がついた首から肩。
だけど男の人ってやっぱりきれいだな。
自分とは何もかもが違う。
逆に深青から見て、私はどうなのだろうか……。
がっかりされるか――
ううん、がっかりされるどころか……もしかしたら――。