スーツを着た悪魔【完結】

――――……



翌朝、ごく自然に目が覚めると深青の腕の中だった。

耳を澄ますと雨音が聞こえた。どうやら外は雨らしい。


雨は嫌い。

イヤなことを思い出すから……。


まゆはすがりつくように深青の胸に顔を寄せ、心臓に耳を押し付ける。


こうしていれば雨の音は聞こえなくなるし、深青の鼓動を感じられる……。



「――ん……まゆ……?」



深青がかすれた声で身じろぎしながら、まゆの名前を呼ぶ。



「おはよう。外、雨が降ってるみたいよ」

「雨か……だりぃな。二人でさぼるか……」



どこまで本気なのか、深青はゆっくりと深呼吸をしながら、まゆの背中に腕を回す。

ついでに長い脚をまゆの足の間にからませてしがみついてくるから、少し苦しいくらいだった。



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