スーツを着た悪魔【完結】
「さぼらないよ。なに言ってるの」
クスクスと笑い、彼の背中に腕を回しながら目線を持ち上げる。
ちょうどその先には深青の顎先があって、いつもは黙っていれば王子様然とした彼だけれど、ほんの少し伸びたひげが妙にセクシーに映った。
「ひげ……」
そっと手を伸ばし、深青の顎先を撫でると、深青は切れ長の瞳をぎゅっと閉じ渋い顔をする。
「今日、朝からシャンテのほうで会議あるから、剃らなきゃマズイな……あっちの重役はジジイばっかだから、うるさいんだ……」
「会議何時からなの?」
「9時半……眠い……」
深青はふわっとあくびをしたあと、そのまままゆの首筋に顔をうずめる。
どうやら自分とは違って、深青はよく眠れなかったようだ。
時計を見ると、まだ7時だった。
「このままシャンテに行くの?」
「そうする……」