スーツを着た悪魔【完結】
「朝ごはんは?」
「うーん、いい……それよりもう少しこうしていたい……」
深青は甘えたようにかすれた声でささやくと、まゆにしがみつく腕に力を込め、首筋に顔をうずめた。
深青はひどく気持ちよさそうだが、まゆからしてみると、彼のたくましい体にのしかかられるだけで重い。
潰れてしまいそうだった。
「く、苦しいよ……」
うめくまゆだったが、頬は緩んでいる。
苦しいのは本当だった。だけどそれ以上に嬉しかった。
彼の部屋で寝ていた時よりもずっと、心が近い気がするから……。
「うんうん……ごめん。でも我慢して」
「我慢してって……無茶苦茶ね」
彼の腕の中で、笑いながら深青の髪に指を入れると、あっちこっちに跳ねてもつれている。
せっかくの美しい髪が台無しだった。
「でも、朝シャワー浴びるって言ってなかった?」
「うーん……言ったっけ?」