スーツを着た悪魔【完結】

「言ったよ。髪、クシャクシャだし。シャワー浴びてる間に簡単な朝食作っておくから、浴びてきたほうがいいよ。ひげよりもそっちのほうが変だもの」

「うーん……」

「ほら、頑張って!」



べったりしがみついて離れない深青をどうにか説得することに成功したまゆは、そのまま彼をバスルームへと押しやって、洗面台で顔を洗い身支度を整えると、キッチンで圧力鍋に水を張り、ざく切りしたキャベツやシメジ、適当に残っていた野菜とコンソメを放り込む。

軽く圧力をかけたあと、冷凍してあったパンの上にチーズを乗せ、トースターに放り込み、ソーセージを入れて温めているところに、深青が姿を現した。



「なんかいい匂いする」

「適当なスープ。やっぱりおなかに少し入れて行ったほうがいいよ。大事な会議なんだから――って、きゃあっ……!」



振り返ると、腰にタオルを巻いただけという深青が立っていた。


想像もしていない姿に顔に熱が集まる。



「な、な、なにしてるの!?」

「よく考えたら、一回脱いだの、履きたくなかった」



深青は濡れた頭をタオルでゴシゴシしながら、床に座り込む。


一瞬何かが見えそうになって、まゆはビクッと震えながら後ろを向いた。




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