スーツを着た悪魔【完結】
「じゃ、じゃあ、コ、コ、コンビニで買ってくるから!」
「ああ、俺行くからいいって」
「だめよ、ノーパンはダメ! 捕まっちゃう!」
「捕まるって……んなわけねえだろ」
「わ、わかんないよ? とにかくすぐだから!」
まゆは深青からきっちり目を逸らしたまま、バッグから財布をつかむと、そのまま勢いよく部屋を飛び出し、アパートの階段を駆け下りる。
「変なまゆ……」
一つの布団に何度も入って、昨晩はほんの少しだけ、いや結構先に進んだというのにそんな恥ずかしいか?
けれど顔を真っ赤にしつつ、必死に走って行ったまゆを想像すると、おかしいよりも愛おしいが先立つのは惚れた弱みだなんだろうか。
彼女が戻ってくるまで、せめて朝食の準備をしておこう。
深青は機嫌よくキッチンに立ち、鼻歌を歌い始めた。
彼の母親がよくやっていたように。