スーツを着た悪魔【完結】

案の定、十分もしないうちに返信があり、印鑑は自宅にあること、会議はまだ長引きそうなので、部屋の鍵を開けておくから勝手に持って行くようにという指示。



「部屋の鍵を開けておくって……」



どうやら遠隔操作が出来るらしい。

どんなハイテクなんだと思いながら、まゆは阿部からタクシーチケットを貰い、深青のマンションへと向かう。



久しぶりの深青の部屋は、初夏の日差しの中、太陽の光を上手に取り込み、キラキラと輝いている。


ガラス窓に指紋一つついていないのはいったいどういうことなんだろう。
誰かがこんな高層マンションの窓まで掃除してくれるんだろうか。


そして以前来た時と何か違うと考えて立ち止まるまゆ。



「あ……」



確か以前はとんでもなく美しい少女の写真が飾ってあったはずなのだが、それらがすべて取り外されていたのだ。



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