スーツを着た悪魔【完結】
もしかして……
だいぶ前に写真の中の美女に嫉妬したから?
だとしたらなんだか恥ずかしいな……。
今度それとなく聞いてみよう。
まゆは頬を染めつつ、ゆっくりと部屋の中へ歩を進める。
「印鑑、印鑑っと……」
確か上のスペース、ベッドサイドのボードの上にあるって言ってたよね。
部屋の奥から階段を上がり、彼と何度も夜を過ごしたベッドルームへと向かう。
主のいないベッドは、きれいに整えられていた。
昨晩、深青に触れられて、心臓が壊れそうなくらいドキドキしたことを思い出す。
彼が自分のことをとても大事なもののように触れてくれたこと
すごく、すごく、嬉しかった。
以前、ここに少しだけ寝泊まりしていた頃の私は……深青のことを好きなくせに、どうしても受け入れられなくて、信じきれなかった。