スーツを着た悪魔【完結】
「んー……ないなぁ……」
シンプルなボードの上に置かれた書類の山をかきわけても、ない。
いったいどこにあるんだろう。
そのうち重ねられた封筒のいくつかが、ボードの上から滑り落ちてしまった。
「やだ、もうっ……私ったら」
焦りながらその場にしゃがみ込み、書類をかきあつめ、封筒に押し込むまゆだったが、書類の中に『澤田まゆ』という文字を発見して手が止まる。
「え……?」
心臓が、鼓動が、尋常じゃないほど跳ね上がる。
なにこれ……。
まゆは震える手でおそるおそる、ホッチキスで束ねられた報告書の文字を目線で追った。
「澤田まゆ……調査、報告書……」
キイン、と耳の音から高音が鳴り響く。
足元が突然粘土にでもなってしまったような気がした。
立っていられなくなったまゆは、その場に膝から崩れ落ちる。