スーツを着た悪魔【完結】

深青……

何も知らないって言ってたけど、やっぱり調べさせたの?

知っていて、知らないふりをしていたの?



「――ッ……」



目の奥が熱くなると同時に、鼻がツンと痛くなった。


一瞬、深青に裏切られたような気がしたのだ。


いや、自分から話そうとずっと思っていたのだから、彼が知っているのなら話す手間が省けたんだと思えばいいのかもしれない。

それに自分だって隠し事をしている。

自分に彼を責めることは出来ないと、何度も言い聞かせたが、彼が嘘をついていたことを、今すぐ何事もなかったかのように考えることは出来なかった。



まゆは持っていた書類を乱雑に封筒に押し込む。


唇が震える。

気を緩めれば涙が溢れそうだったが、すぐにOrlandoに戻らなければいけない。泣くわけにはいかない。必死にこらえた。



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